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賃貸物件の賃借人~続々編~

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カテゴリ:不動産知識

賃貸物件の賃借人~続々編~


皆様、こんにちは!!センチュリー21SEEDの定保です。

本日は昨日のテーマをもう少し掘り下げた内容を書いていきます。

昨日のブログ→★★★

前の記事で孤独死の手続きについて解説しましたが、孤独死が発生したときに、賃貸経営者として

必ず抑えておかなければならないポイントについて解説したいと思います。

 


契約者が死亡しただけでは賃貸借契約は解除にならない


誤解している人も多いのですが、たとえ賃貸借契約の契約者が死亡したとしても、


当然にその契約が解除となるわけではありません。


この場合、賃貸借契約は契約者の「法定相続人」に相続されますので、解除するためには


これらの相続人から賃貸借契約解除の書面をもらう必要があります。

 

なお、この際法定相続人は必ずしも1人とは限りません。


子供が複数いればそれらはみな法定相続人となります。ですから厳密に言うと、


遺産分割協議が確定するまでの間については、この賃貸借契約を解除する権限をすべての相続人が


「共有」している状態となるため、解除の書面はこれらすべての法定相続人の署名捺印を


もらっておく必要があります。

 

ただ、実務上は高齢者が孤独死した部屋を相続人がそのまま使用することはほとんどないため、


解除にはすんなり応じてもらえるでしょう。

 

部屋の明渡しを交渉する際のポイント

契約者が孤独死した部屋は、一日も早く荷物を撤去して明け渡してもらうことが重要です。


ここでポイントとなるのは、部屋の明渡し交渉の相手方です。

 

部屋に荷物があるうちは、たとえ本人が死亡したとしても家賃が発生し続けることになります。


そしてこれを支払う義務があるのは、契約者の「法定相続人」は当然として、実はもう一人います。


それは「連帯保証人」です。

 

仮に連帯保証人が法定相続人以外の人物だった場合、連帯保証人の心理としては一刻も早く明渡しを


して、これ以上家賃が発生しないようにしたいと考える傾向にあるため、明渡し交渉の窓口としては


とても有効です。

 

もちろん最終的には法定相続人の同意は必要ですが、相続人の場合は遺産分割協議が終わるまで


待ってほしい、などと言ってくることがあるため、そのような場合は相続人と交渉するよりも、


連帯保証人の責任において明渡しをしてもらった方が、早く問題が解決する可能性が高いのです。

 

家賃や原状回復費用は誰に請求するか

契約者死亡後の家賃や原状回復費用の支払い義務があるのは、相続人と連帯保証人です。


仮に相続人全員が相続放棄をしてしまうと、請求できるのは連帯保証人のみとなってしまいますので


注意が必要です。この際、請求ができる金額の範囲としては以下のようになります。

 

①家賃について
相続人や連帯保証人に家賃が請求できるのは、「明渡が完了する時まで」であり、具体的に言うと、


室内の荷物を全て撤去してカギを大家に返すところまでとなります。


つまり、賃貸借契約書の解除予告期間が1ヶ月前などになっている場合は、


解除を申し出てから1ヶ月間は強制的に家賃がかかることとなります。

 

②原状回復費用について
孤独死の場合一番問題となるのがこの原状回復費用です。家賃滞納もなく、敷金の範囲内で


おさまる場合は良いのですが、万が一足りない場合は要注意です。

 

この場合も相続人や連帯保証人に請求することが可能ですが、何しろ人が死亡した部屋ですので、


賃貸経営者の立場からすれば、壁紙や床などを総取り替えしたいと思うでしょう。


ただ、通常の原状回復ルールに則って考えると、それら全ての費用を相続人や連帯保証人に


出してもらうのは、正直なところ厳しいでしょう。

 

このあたりはご遺族の方とコミュニケーションをとりながら、負担をお願いしていくことになります。

 

家賃減収分の損害賠償は認められるのか

部屋で孤独死などが発生すると、いわゆる「いわくつき物件」となるため、


数年間は新たな賃借人に告知しなければならず、これにより通常の家賃よりも値下げ


しなければならなくなります。これを法律用語で「逸失利益」と言います。

 

これについては、相続人や連帯保証人に請求が可能なのでしょうか。


結論から言うと、請求は可能ですが裁判になった場合は認められないケースもあるため注意が


必要です。

 

過去の判例では、自殺のように本人に「故意や過失」があるような死亡の仕方をしている場合に


ついては、逸失利益の請求を認める傾向にありますが、孤独死などの自然死の場合は、


ある意味避けようがないため、原状回復費用の負担だけ認めて、逸失利益の負担は否定する場合が


あります。

 

また、ここでは「相続放棄」の問題も浮上します。老後を賃貸物件で暮らしている高齢者の多くは、


それほど多くの遺産がありません。そのため、あまりにも巨額の損害賠償を提示すると、


法定相続人が相続放棄をする可能性が出てきます。

 

万が一相続放棄をされてしまうと相続人ではなくなるため、一切の債務を請求することが


できなくなってしまいます。万が一そうなった場合は、連帯保証人に請求することになるでしょう。

 

火災保険で孤独死のリスクをカバーできる

このような孤独死リスクを回避するために、最近では火災保険に「遺品整理費用」がついているものが


あります。万が一孤独死が発生した場合に50万円程度の保険金が下りるため、


これを原状回復費用に充てるという対策が有効です。

 

もしくは、遺族から現状回復費用がもらえない場合は、火災保険の破損という形で請求するという方法


もあります。これは、保険会社が事故と認定してもらえるかは、保険会社によって異なりますが、


試してみる価値はあるでしょう。


本日は以上になります。


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